JENSENスピーカーの入った古いアメリカ製のポータブルセットです。 無骨な見た目のものが多い中、こちらは幾分かポップな見た目です。2015年に入手して以来、当方は他の同個体を見たことがありません。 スピーカーはP12S、耐入力が10W程度と小入力のタイプです。フレームのコードから読み取るに、1955年製に見えます。当時は低中価格帯はフィールドスピーカー、永久磁石のモデルは比較的高価格帯で併売されていました。その為に「PM(パーマネントマグネット、永久磁石)」という売り文句が裏面に貼ってあります。 公称8Ω。テスターを当ててみましたが左右で大きな違いもなく揃っています。 箱から外してコーン紙もお見せしたいのですが、キズをつけてしまうのが嫌で外すのを躊躇い、写真を撮れていません。かなり良好なコンディションです。2本とも廉価な張り合わせでない、1枚コーンのタイプです。 納めている箱は年代相応のキズがあり取っ手も欠品していますが、スピーカー本体以上にこちらが貴重品です。 1950-60年代当時は関税の分類の為に、スピーカーのみ輸入し現地で箱を作り製品にしていました。 後の高度成長期以降の時代、日本に輸入されるスピーカーは「かさばるから」という理由で箱を潰され、ユニットのみ輸入される例が多かったです。 それらの事由のため「海外製の箱」の本当の音を知っている方は少ないようです。こちらは高性能を極めたシステムではありませんが、その片鱗は味わい倒すことができるのではないでしょうか。 当時の可搬型システムで、2つに分割して置くことができますが・・・モノラル時代の品物です。左右で箱の奥行きが違います。 両方鳴らしてもよし、くっ付けたままで片側のスピーカーのみ結線し「モノラルのドロンコーンシステム」として贅沢に使って頂いてもいいでしょう。小出力のギターアンプに使ってもご機嫌と思われますが、耐入力値が小さい為ご注意ください。 　 インテリアとして使いたい方だけでなく、当時のサウンドや雰囲気を楽しみたい方、ギターアンプの出音のグレードアップに使いたい方など、ぜひご検討ください。